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2024年12月期第2四半期決算概要2024年度12月期の決算概要について

十見でございます。

本日は、はじめに2024年度12月期の決算概要をご説明いたします。次に、定性的な事業方針ならびに本日開示させていただいた味の浜藤グループの事業内容とシナジーについてご説明いたします。そして2025年12月期の決算予想と事業計画についてご説明いたします。

■髙橋敏財務本部長

通期業績の推移です。

2024年度12月期の売上高は355億8,000万円で前期比11.9%の増加。経常利益は29億1,700万円で前期比25.2%の増加でございます。そして当期純利は16億8,500万円で前期比7.8%の増加となりました。

■十見裕社長

2024年12月期については昨年11月、第3四半期の結果に基づいて通期業績予想を上方修正いたしました。内容は、売上高が前年同期比12%増の350億円。利益は前年同期比27%増の30億円というものでしたが、第4四半期の11~12月に我々は大きな失敗をいたしました。

一つは、原材料費の管理です。当社が製造してセブン-イレブンで販売している人気商品の一つに『たことブロッコリーのバジルサラダ』がありますが、イカとキュウリ、ネギを組み合わせた新商品を2024年10月に発売いたしました。しかし、天候不順により、九州で栽培していたキュウリの価格が10倍近くまで高騰。原材料の製造から生産までの一貫体制でもコストカットはままならず、収益を伸ばすことは叶いませんでした。

もう一つは、関西新工場での業務を担う外国人研修生の入国が遅れたことです。2024年7月に取得した関西新工場では2025年度の本格稼働をめざして人材の受け入れ体制を整えていましたが、これによって11月~12月に予定していた試験操業と調整作業に大きな遅れが生じました。

その結果、通期の経常利益は29億1,700万円となり、上方修正した数字を達成することができませんでした。 前年同期比では125.2%と成長を示すことができましたが、予想を下回ったのは上場以来初めてのことです。非常に残念であり、二度とこのようなことがないようコスト管理を徹底する所存です。

■髙橋敏財務本部長

次に損益計算書です。連結業績で一部申し上げましたが、売上総利益につきましては、原材料価格高騰の影響を受けたものの、販売数量と生産効率の向上により、利益率は前期比で若干改善いたしました。

販売費及び一般管理費の増加分は、売上増に伴う運賃の増加分です。なお、特別損失としまして、固定資産にかかる減損損失2億7,200万円を計上しております。

■十見裕社長

特別損失は、常温食品(缶詰類)の製造拠点となっている株式会社STIミヤギの生産設備を中心とした固定資産に関わる減損損失です。我々が宮城県石巻市に工場を開設した最大の目的は、石巻港に水揚げされる真鯖で、大型で希少価値の高いブランド鯖『金華鯖』も商品化しています。この真鯖の水揚げ量が2023年に激減。2024年の水揚げ量も期待とはほど遠いものでした。このままでは工場の製造体制を維持するのが難しくなるため、2億7,200万円の評価損を計上いたしました。

■髙橋敏財務本部長

貸借対照表です。資産合計は192億8,400万円。負債合計は108億9,900万円。純資産合計は83億8,500万円となり、自己資本比率は43.5%となりました。

■十見裕社長

経常利益増減分析です。

皆様には第3四半期にもご説明させていただきましたが、今回は少し、これまでとは動きが違いました。

2023年は高騰する原材料費と物流費を商品の販売価格に転嫁させていただいて収益を確保しました。しかし、2024年は消費者の皆様の値上げに対する抵抗感が前年をはるかに上回っていたため、値上げ幅を抑えざるを得ませんでした。そのなかで原材料費と物流費は上がり続け、一過性のものですが関西新工場の立ち上げコストも収益を圧迫しました。

そんな状況を打開して経常利益を23億3,000万円から約29億1,700円へと増加できたのは、我々が定性的な取り組みを継続できる組織だからです。お客様に喜ばれる商品をつくって生産効率の向上に努め、販売数を増やす。それをグループ全体で共有できるからこそ材料費の高騰やコスト増などのマイナス要因を吸収できるのです。関西新工場の稼働率も高まってきていますので、今後も定性的な取り組みを継続していきたいと考えています。

決算発表の様子
今期の重点政策について今期の重点政策について

昨年完成した関西新工場の稼働と、常温食品(缶詰類)の製造拠点であるSTIミヤギへのデイリーライン増設により、我々の生産キャパシティは20%以上アップいたしました。我々は年間約1億5,000万食相当の商品をつくっておりますので、年間ベースで3,000万食、月間ベースで250万食、デイリーベースでは8~9万食の増産が可能になりました。

臭いが残る。骨の処理に時間がかかる。後片付けが面倒。魚はこうした理由で自宅で調理をしたがらない人が増えています。その反面、惣菜としての人気は高まっており、テレビの情報番組などで紹介されると生産が追いつかなくこともありました。しかし現在は、そうした状況でも商品を安定的に供給できる体制を整えています。その一方で、パッケージデザインの刷新、温度帯の変更などの施策も実施。今までにないジャンルの商品開発にも積極的に取り組んでおります。

もう1つご説明したいことがあります。

食材のなかで最も多くつくってきたのはおにぎりの中身です。代表的なものは、鮭、紅鮭、白鮭のフレーク、明太子、イクラなどで、セブン-イレブンのおにぎりの中身として使っていただいております。しかし、たとえば色が鮮やかで脂がのった紅鮭のように原価が高い具材を使ったおにぎりの売上は伸びていません。

そこで我々は、消費者の皆様が自宅でおにぎりをつくるための具材の商品化、シリーズ化を検討しています。当社の売上の4分の3は最終製品であり、その代表的な商品である鯖の塩焼きは前年対比で125%以上も伸びておりますが、さらなる成長をめざすには新ジャンル商品の開発が不可欠と考えております。

本日、STIフードホールディングスは、株式会社浜信の全株式を取得し、浜信および同社の完全子会社である味の浜藤株式会社、株式会社藤兵衛の子会社化を発表させていただきました。

我々は設立から35年ほどの会社で、魚の商品、“レディトゥイート”のコンシューマーパックの製造会社としての歴史は10年弱でございますが、『味の浜藤』の創業は1925年(大正14年)。今年で創業100周年を迎えます。

我々と同じような原料を使って魚に特化した惣菜の製造を行ってきた企業で、東京駅や品川駅をはじめとする都心部の駅ナカや百貨店で販売店を運営しています。

売上規模は、コロナ禍以前の最盛期で約80億円。現在は40億円ほどですが、80億円規模の生産が可能な企業ですので、当社の技術力と生産力、調達力を注入し、ノウハウを共有して売上拡大をめざします。

経営陣の皆様には、次の100年を我々ともに歩み、大きく成長しましょうとお話をさせていただいております。

今回のM&Aの背景には、海外進出、海外の製造拠点設立という目標があります。近年はアラブ諸国でも日本の魚料理、惣菜の人気が高まっていますので、今期、もしくは来期中には足がかりをつけたいと考えています。

『味の浜藤』はそのためのグローバルブランドとして位置づけています。より良い商品をつくり、ブランド名焼印を入れるなどの工夫を施して認知度を高めてまいります。

定性的な重点方針です。

まずは原材料と商品開発の連動です。我々はこれまで、魚を原材料とする一貫製造にこだわってきましたが、今後は魚と組み合わせる野菜、お米についての理解も深めながら商品開発を進めてまいります。

新技術の知的財産化にも注力します。先ほども申し上げましたが、魚は自宅で調理をしたがらない人が増えています。そのニーズをしっかりと取りこめるように新たな技術を開発し、知的財産化することで参入障壁を高めてまいります。

新ジャンルの小売商品に関しては、キャビアの製造技術を駆使して、アペタイザー(前菜)に適した商品——ベルーガを超えるようなサーモンキャビアの商品化に取り組んでいます。

決算発表の様子
業績予想2025年12月期の業績予想について

これまでの業績推移と今後の計画です。

過去5年間は、より効率的な投資を優先するため新工場の建設を行わずに売上を拡大。平均11.5%の成長を継続してきましたが、経常利益は2年置きにわずかながら減少しています。2019年は7億1,000万円から5億9,100万円。2022年は17億4,500万円から15億2,800万円となりました。

この傾向を踏まえて今期、経常利益の予想は横ばいとさせていただきました。今後も成長を継続するためには、酷使してきた筋肉を休ませて解きほぐし、課題の確認と修正を実施する必要があると考えました。

現状の課題としてはコストコントロールがあります。毎年、10%の成長を続けてくると甘くなり、少し収益力が鈍る傾向がありますので、今期中に要因をしっかりと分析して改善したいと考えています。

価格改定については昨期と同様、時期を見て慎重に、というところです。私自身もコンビニやスーパーで買い物をするたびに物価の上昇を実感していますので、質の高い商品、おいしいものを多くのお客様にお届けできるように企業努力を続けてまいります。

海外展開も計画しております。日本の魚の品質は高く、当社には良品をつくるノウハウとプラットホームがございますので、売上拡大と利益率の向上に寄与できると確信しています。詳しい内容については中期経営計画とともに皆様にお伝えしたいと思います。

2025年12月期通期の業績予想です。

今期は売上高400億円。経常利益は30億円。親会社に帰属する当期純利益は19億5,000万円とさせていただきました。利益率は多少下がりますが、2026年からさらに成長するための体制を整える1年と位置づけています。

決算発表の様子
株主還元方針株主還元方針について

株主還元方針です。

2025年12月期は前期と同額の年間40円の配当を予定しております。

株式分割と年間配当の増配については前期の第3四半期の決算開示時にお伝えしたつもりでしたが、知らなかったというご指摘を受けました。我々のアナウンスが行き届かずご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

以上が2024年12月期の決算概要となります。

2025年12月期も株主の皆様に安心感を与え、喜んでいただけるご報告ができるように経営を行ってまいりますので、引き続きご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

決算発表の様子