STIフードホールディングス

GLOBAL OCEAN

2024年12月期
第2四半期

STI Communication Media
2024年12月期第2四半期決算概要売上高は112.5%、経常利益は139.2%と前年同期比で増収増益。

十見でございます。

本日は大変お忙しいなか、STIフードホールディングスの説明会にご出席いただき、誠にありがとうございます。 

それでは、2024年12月期第2四半期の決算概要をご説明いたします。まず、連結業績サマリーについて財務本部長の高橋がご説明いたします。

■高橋敏財務本部長

はじめに、連結業績サマリーでございます。

2024年12月期上半期の売上高は166億9,400万円で前年同期比12.5%の増加。経常利益は14億9,500万円で前年同期比39.2%の増加。経常利益率は9%となり、前年同期比で1.8ポイント改善いたしました。

連結業績サマリー

■高橋敏財務本部長

次に、連結損益計算書です。

売上高、経常利益につきましては、ただ今ご説明したとおりでございます。

売上総利益は生産効率向上などの施策により、利益率は前年同期比で1.3ポイントの改善となりました。販売費及び一般管理費は、売上高の増加に比例して増えています。この結果、中間純利益は10億1,000万円。前年同期比46.9%の増加となりました。

■高橋敏財務本部長

最後に、連結貸借対照表です。

資産合計は164億9,600万円。負債合計は85億4,900万円。純資産は79億4,600万円となりました。その結果、上半期の自己資本比率は48.2%となりました。

以上でございます。

■十見裕社長

我々はメーカーですので、金額よりも利益率と成長率を重視しています。

原材料費が高騰した2022年度とコロナ禍を除けば、2019年度以降は平均して売上高は11.1%、経常利益は36.5%と安定して成長を継続しています。

以前より、取得と稼働時期についてお話をさせていただいておりました関西新工場については「大阪万博2025」の開催等による費用と工期への影響などを鑑みて、プロジェクト内容を再検討いたしました。その結果、2024年7月に関西国際空港からほど近い大阪府泉佐野市の既存工場を取得いたしました。

すでに引き渡しを終えており、現在は構造材を除く内装をすべて撤去するスケルトン工事を進めています。11月上旬から2週間程度の試験操業と調整を経て、2024年12月上旬より本格的な出荷をスタートします。

当社が新たな工場を取得するのは、2018年10月のSTIデリカ(白岡)以来となります。STIデリカは当社が会社分割という形で初めて買収した大型工場だったこともあり、収益化までに8カ月間もの時間を要しました。その反省から、今回は慎重に準備を進めてまいりました。2025年度からは既存の工場と同様に損益分岐点をクリアし、成長率11%の継続に貢献できる。皆様のご期待にお応えできる。そう考えております。

これまでの業績推移と今後の成長イメージ

経常利益率の上昇(9%)の要因は、消費者に支持される最高の商品を提供するため、高品質な原材料の使用を継続したこと。そして、工場間シナジーなどの生産率の向上、販売数量の増加によってマイナス要因を吸収できたこと。この2つが挙げられます。

その背景には、消費者の皆さんは常に品質のいいものを求めているという確信がありました。実質賃金が増えないなかで物価が上がり続けても、セブン-イレブンをご利用になるお客様は当社が製造する商品を選んでいただける。

ですから我々は、既存商品の売上を伸ばすことを最優先に考えています。高騰する原材料費と物流費がどれだけ利益を圧迫しても、原材料のスペックダウンは考えていません。なぜなら、我々はメーカーであり、目先の利益を求めることによって損なったお客様の信頼は、二度と戻ってこないと知っているからです。

そこで注力しているのが生産効率の向上です。現在、STIフードホールディングスは全国に10カ所(6社)の生産拠点を設けていますが、各工場が連携して製造の最適化を進めることによって物流費をコントロールする。あるいは、特定の商品を大量に生産することでコストダウンを図る。そうした形で生産効率を高めています。

また、新商品の開発にも積極的に取り組んでおります。最近のラインナップに加わった商品では「鯖の味噌煮」が好調です。秋口からスタートしたかったのですが、予定を前倒しして春から販売を始めたところ多くのお客様にご購入いただき、原材料及び物流費をはじめとするコストを吸収しています。

重点施策と重点方針原材料の品質に妥協しない。複数拠点による製造の最適化を進め、生産商品の選択と集中を行う。継続して重点施策を進める。

原材料の品質に妥協しない。複数拠点による製造の最適化を進め、生産商品の選択と集中を行う。

今、申し上げたことは今期も引き続き重点施策として進めてまいります。

そしてもう一つ、最重要テーマとして掲げているのが、グループ各社の技術のクロスオーバーによる付加価値の創出です。こちらの図を使ってご説明すれば、ブルーで色分けした生産拠点(STIフード、STIデリカ、STIエナック)にはセブン-イレブンのデイリー工場としての設備と機能を備えていますが、それぞれ特徴が違います。例えば、STIデリカ(白岡)には、液体窒素によって水産物を急速冷凍できる窒素凍結ラインを完備しています。また、STIエナック(福岡)には明太子をゼロから一貫製造できる体制を整えています。

一方、白く色分けしたSTIサンヨー(焼津)、STIミヤギ(石巻)は缶詰、瓶詰め、パウチをはじめとする常温食品の加工ラインを整備しています。

これらの拠点で今、我々が強化に取り組んでいる技術を2つご紹介します。1つは骨の軟化技術です。目的は「骨が多い」「臭いが強い」という理由で敬遠されがちなイワシやアジの評価を高めることです。STIサンヨーやSTIミヤギなど、港に近い拠点で一次処理をした後、他の拠点で頭からまるごと食べられるように製品化する技術を確立し、安くておいしい商品の開発を目指します。

もう1つは、魚を乾燥させて旨味を引き出し、保存性を高めるスモーク技術です。これは、日本最大級の漁港の1つである石巻漁港からほど近いSTIミヤギが所有する技術で、長さ20mに及ぶラインで連続して乾燥させることによってスモークサーモンなどの生産効率を高めています。この設備ではホットスモーク(熱燻製)も可能なので、その強みを活かした商品開発も進めています。

今後は、国内の売れ筋商品をベースにしたグローバル商品の開発にも力を入れていきます。例えば当社の定番商品の1つに「さばの塩焼」がありますが、魚の脂を利用して皮をカリっと焼き上げる製法に進化した今は、外国人のお客様にも大人気です。レンジアップしなくてもまるごと食べられるので、ビールやワインと一緒に楽しめるフィンガーフードとして召し上がっています。こうした商品をグループシナジーによってさらに進化させ、原材料費のスペックダウンを行うことなく、海外のお客様にもリピートしていただけるグローバルな商品を開発する。それが当社の目指す方向です。

重点施策

現在、工事中の関西新工場です。関西国際空港からほど近い場所にあります。

関西新工場の完成予定図です。竣工は2024年10月の予定で、2025年度からの本格稼働によって約70億円の増収を見込んでいます。新工場では1カ月あたり10万3,000食の製造が可能です。カップデリ商品を中心に受注総数は前年対比で14.5%増と堅調に伸びており、来年度からは新商品も加わりますので十分に達成できると考えています。

重点方針のテーマは3つあります。

具体的にご説明すると「原材料と商品開発の連動」は、高品質で幅広いサイズの原材料を適正価格で仕入れ、ロスなく使い切ること。今期は、これまで廃棄してきた中骨を活用して煎餅などの商品開発につなげたいと考えています。

「製造能力の磨き上げ、拡大」については一貫製造、良品製造の徹底、生産キャパシティの増強などが軸になります。当社独自の商品の1つに炭火の香りを活かした焼魚がありますが、お客様に喜ばれる味を追求しながら生産力を高め、当社にしかできないものを一貫製造でご提供します。

「新技術の知的財産化」は、独自性を追求し、参入障壁を高めることが目的です。当社は国内の水産関連企業のなかでトップクラスの特許技術を所有しています。今後も殺菌・滅菌分野、加工分野を中心に新たな技術を創出し、知的財産化することでプラットフォーマーとしての存在感を高めていきたいと思っています。

海外展開については国内の売れ筋商品をベースに海外向けの商品の開発に取り組んでおり、2025年度には北米でテスト販売を開始する予定です。日本の魚はアジアでも人気があり、当社の技術も高く評価していただいていますので、北米からアジアへの展開も視野に入れています。

業績予想の修正業績予想を上方修正。

通期の業績予想です。

当初は売上340億円、営業利益24億円、経常利益24億円、当期純利益16億円という形で発表いたしました。

しかし、上半期の業績が予想を上回って進捗しており、下半期も売上、利益とも順調な成長が見込めることから業績予想を上方修正いたしました。

内容は売上350億円、営業利益28億円、経常利益28億円、当期純利益18億円。これが今の段階でお約束できる数字でございます。

株主還元方針1株あたりの年間配当予想を90円から110円に増額。

8月以降、国内の株式市場は乱高下を続けていますが、当社は1万人の株主の皆様への利益還元を経営の最重要課題と認識しておりますので、2024年12月期は中間配当を40円に設定。期末配当予想は50円から70円に修正し、1株あたりの年間配当も20円増額して110円とさせていただきます。

以上が2024年12月期第2四半期の決算概要となります。

第3四半期以降も株主の皆様に安心感を与え、喜んでいただけるご報告ができるように経営を行ってまいりますので、引き続きご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

株主還元方針