
GLOBAL OCEAN
決算説明会レポート
2025年12月期 上半期 決算概要

皆さん、こんにちは。十見でございます。
まず、決算概要を常務の髙橋よりご説明させていただきます。よろしくお願いします。
■髙橋敏財務本部長
連結業績サマリーです。2025年12月期の上半期の業績でございます。売上高は183億9,000万円で前年同期比10.2%の増加。経常利益は14億1,000万円で前年同期比5.2%の減少でございます。また、当期純利益は15億円で前年同期比48.6%の増加となりました。
■十見裕社長
私からは現状、我々が抱えている問題点、今期の成果等についてご説明させていただきます。
売上高は前年対比110%で、ここには今年の4月に全株式を取得して子会社化した株式会社浜信のリテール事業の業績も含みます。浜信は東京駅や品川駅をはじめとする都心部の駅ナカや百貨店で販売店を運営しており、現在の年間売上高は約40億円。
3カ月間(4~6月)の間の業績なので軽微ですが、経常利益にも寄与しております。
我々の特徴は、上半期より下半期。下半期の成長を土台として上半期がスタートする。この形が定着しており、2023年、2024年もそうでした。しかし、2025年の上半期はまったく違う形になりました。
上半期の売上目標は、前年対比120%でした。関西工場の本格稼働によって生産キャパシティが向上したこともあり、前年対比120%は達成して当然の目標でした。ところが、結果は前年対比110%。120%以上の伸長を見込んでいた第2クォーターで減速してしまいました。

■髙橋敏財務本部長
連結損益計算書でございます。売上総利益につきましては、原材料の高騰等を受け利益率が1.4ポイント悪化しております。なお、不動産の時価評価等におきましては特別利益を計上しております。

■髙橋敏財務本部長
セグメント別の業績でございます。当上半期よりセグメントごとの開示を行っております。また、事業区分につきましては、事業の内容に記載しておりますのでご確認をお願いいたします。

■髙橋敏財務本部長
最後に貸借対照表でございます。資産合計は210億4,600万円。負債合計は116億4,200万円。純資産合計は94億300万円となりました。結果、自己資本比率は44.7%となりました。

■十見裕社長
経常利益増減の分析です。
原材料費は約2億円増。生活に不可欠な食品を提供する我々にとって、原材料費の高騰は経常利益を圧迫する最大の要因となっています。しかし、エンゲル係数が30数年ぶりに上昇しているように、消費者の皆様の家計も厳しくなっていますので、原材料費の上昇を踏まえてタイムパフォーマンスの高い商品づくりに努めることが重要と考えています。
昨年の生産効率は生産現場のシフト編成を抜本的に改革し、半期で1億8,000万円のアップを達成しましたが、今年は5,200万円悪化し、大幅なダウンとなりました。要因は過信です。関西工場の本格稼働で生産キャパシティが向上したことによって、その他の工場のコントロール体制に緩みが生じました。「普通にやれば生産効率は上がる」との甘い考えが大幅な悪化を招いてしまいました。
商品販売は8,700万円減となりました。最大の要因は、商品の容量と価格のバランスを考えずに変えたことです。我々はこれまで、お客様が商品を手にしたときに感じる重さを重視し、鮭や鯖などの定番商品ではできるだけサイズの大きな切り身を使い、皮をパリパリに焼くことで他社との差別化を図ってきました。しかし、原材料費の高騰に対応するため、少し値段を上げて重さを軽くしました。10~20円程度の値上げを実施しました。価格と容量のバランスを慎重に検討して結論を出しましたが、結果は失敗。わずか2週間で売上が15%以上も減少しました。失望されたお客様からは「値上がりして小さくなったのは残念」「2人で分けて食べられなくなった」などのメールが多数届き、それによって我々は、たとえ大幅な値上げをしてでも重さ、大きさを維持するべきだったと猛省いたしました。

2025年度上半期の減益要因と対策
原材料コスト上昇への対処の誤り

原料の調達・選定ルールについても共通認識を欠いていた部分があります。たとえば大きさが異なる魚が4匹並んでいれば、我々は真ん中の2つを選んできました。ところが昨期はその認識が薄れ、原料のサイズにばらつきが出るようになりました。
今までタイムパフォーマンスの高い商品として認知され、売上が伸長したことで現場の緊張感が薄れ、リスク管理意識の低下を招いてしまった。我々はそう捉えています。
また、魚ごとの格に則した販売価格の設定ができていない商品もありました。その一つが銀鱈です。銀鱈は近年、漁獲量の減少等の理由で消費者の皆さんには高級魚として認識されています。しかし我々はサイズにばらつきが出やすい深海魚として扱い、切り落とし(魚を切り身にする際に出る端材や切れ端)の価格は鮭よりも安く設定していました。こうした魚の格の認識のズレも商品販売が減少した要因です。7月に大きさを元に戻しておりますが、表示が戻るのは10月からです。
重点施策

定性的重点政策です。テーマは今期も「魚種ごとのグレードに見合った商品開発」「製造能力の磨き上げ」「新技術の知的財産化」の3つです。
目指すのは一貫製造のさらなる深化です。これまでは原材料の目利き・調達から商品開発を行ってきましたが、これからは自ら原材料の製造に投資していこうと考えております。手法は、国内の養殖会社への投資です。鮭や鰺をはじめ、春夏秋冬の魚を養殖している会社に給餌代金を支払い、最適の時季に買い取ります。また、海外の養殖会社、装置メーカーへの出資も積極的に行い、原材料の製造から商品開発、最終製品の製造までの一貫体制を構築します。
同時に、魚種に合わせた価値訴求を実施。単品開発からの脱却を目指してポートフォリオ型の商品開発も進めます。
ポートフォリオ型の商品開発はフードロス削減対策としても重要です。無駄をなくせないうちは商品の格を高め、収益を伸ばすことは不可能ですので、商品開発の段階から協業している小売業者の皆様と連携して進めてまいります。
これらの施策によって一貫製造体制を強化し、時短商品(家庭での調理が不要の焼魚・煮魚、総菜など)の分野をリードしていきたいと考えています。


商品開発体制の見直しと強化を目的として、全国の各工場に分散していた開発拠点を南青山に集約しました。本社オフィスがある新乃木坂ビルの1・2階フロアに小型の機器を設置して新商品の試作と比較を繰り返し、加工技術の向上に努めています。
グループシナジーの最大活用につきましては、株式会社浜信の子会社「味の浜藤」と原材料の共同購買、共同研究、当社グループ工場を活用した新ブランドの開発に取り組んでいます。「味の浜藤」は漬け魚の技術を100年にわたって磨き続けてきた会社。首都圏の駅に限定して2,000円を超える高価なお弁当を提供しているという点でも学ぶべきことは多く、面白いチャレンジができると考えています。
業績予想の修正

通期業績予想の修正です。今期は売上高400億円で一緒です。
営業利益、経常利益も一緒です。親会社株式に帰属する当期純利益は24億円。不動産時価評価に伴う特別利益発生により当期純利益が大幅に増加しておりますが、我々が重視しているのは営業利益。稼ぐ力でございます。これをバネにして、次の飛躍につなげます。振り返ってみると、伸長を続ける数字に満足してチャレンジの機会を逃したことも少なからずありましたので、初心に立ち還って成長を目指します。
M&Aは常に検討しています。このような大きな施策については決定次第、速やかに公示し、株主の皆様に直接ご説明いたします。

これからの5年間で考えておりますのは、やはり売上高1,000億円を目指すことができる会社になっていきたいということです。売上高1,000億円で営業利益が10%。これが我々の望みでございます。また時価総額1,000億円も我々の目指すところであり、そのためには海外の売上拡大が不可欠と考えております。

株主還元方針

株主還元方針です。
2023年12月期は記念配当を含めて90円でしたが、2024年12月期は120円と増やしました。今期は40円を予定しています。
これは2025年1月1日に3分割の株式分割を実施したためで、実質的には前期と同額となります。
以上が2025年12月期上半期の決算概要となります。
下半期も株主の皆様に安心感を与え、喜んでいただけるご報告ができるように経営を行ってまいりますので、引き続きご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。